2012年7月15日日曜日

理想の組織作り~強いチームから強くなるチームへの転換~

昨日のリーダーシップ論に引き続き、今日は「理想の組織作り」について書きたいと思います。

組織関係の話を書きたいと思っていたので、昨日のブログに対する@kbridgestone (石橋くん)からのリプでこういった機会ができて感謝です。ありがとう!


理想の組織に関してですが、組織のフェーズによって求められる組織が違うため、
一概にこれがいいというモノはありません。
組織のフェーズ(段階)についてはまた別の記事で書きますが、
今回は、代表/創業者が次の代に引き継いでいく段階での組織つくりになります。

自分自身の世界市での経験と照らし合わせつつ書きたいと思います。


自分が代表だったときから心がけて目指していたのは、
「強いチームから強くなるチームになる」ことでした。

なぜそういったチームを目指したのか、
強くなるチームになるための要因は以下のとおりです。

強いチームは続かない。


立ち上げたばかりの団体は優秀なメンバーが集まることが多いです。代表はもちろんその時期に関わろうとする人は意識も高く、
スキルが足らなくとも成長スピートも早い。

ただ、ずっと優秀な人間が組織に居続けるとは限りません。
特に学生団体の場合は、基本的に学生の期間だけなので、
どんなに長くても4年間しか所属しません。

また、新メンバーとして入る世代も1、2年生が中心になるため、
決してスキルが高いメンバーの集まりになることはないです。
 
つまり、「強いチーム」を別の言葉で言い換えると、
「優秀なメンバーの集まり」ということになります。
ただ、その優秀なメンバーが上から順に抜けていくとしたときに、
新しく入るメンバーがその代わりになるような「強くなる仕組み」が必要です。


これはリーダーのスキルが高いほど大変です。
リーダーとメンバーのレベルの差が大きいときに、
その穴を埋めるほどの強くなる仕組みが必要になるのですが、
スキルが高いリーダーは「組織の継承」ではなく「組織/活動の拡大」へと、
自分のスキルを使ってしまうことがあります。
たとえ役職や権限を引き継いだとしても、肝心のスキルが引き継げないと、
活動を大きくしてしまった分管理も大変になり、結果的に駄目になるケースも。。


だから、代表が組織を引き継ぐ場合は、
「組織を強くする」のではなく、強くなる組織づくりを心がけておくといいと思います。



1人の成長量よりメンバー全員の成長量のほうが遥かに多い。


これが自分が代表を辞めたほうがいいと思う要因の1つなのですが、
自分が成長するより、みんなが成長したほうが組織は成長するという点です。

もう少し具体的に話すと、
代表が1ヶ月で頑張って圧倒的な営業力を得たとします。
それをメンバーに対して引き継いで覚えてもらいます。
それに対して、メンバー全員が頑張って、1人1つのスキルを得たとしたら、、、?

代表が1つのスキルを得て伝えるより、
メンバー全員が1人1つのスキルを得たほうが組織として遥かにスキルが高いです。
全員が営業力を必要ではないし、メンバー全員が違ったスキルを持っていたほうがバラエティーに富んでいていいはずです。


もちろんリーダーも一緒に成長すればいいのですが、
強いチームの場合はリーダー依存型の組織であることが多く、
そういった環境の場合、メンバー自身の自主性が低いことがあります。
自分で調べなくてもリーダーに聞いて動くのが早いし、
リーダーの意思決定のほうが正確で頼れるから、自分で学ぶ癖がつかない。
また、リーダーも自分の意思を尊重し、分からなかったら聞いて、と言い、
上手く入ってないときにすぐに助け、スキルが高いからなんとかしてしまう。

メンバー全員が組織の一員であるというプロの意識を持ち、
自分たちで成長していく組織を作ったほうが遥かに成長する。
その組織をつくるときに優秀過ぎるリーダーはいないほうがいいです。


組織のバランスを保つ


ただ優秀なリーダーが残り続けたとした時に気を付けてほしいことを最後に1つ。
「組織のバランスを保つ」ということです。
具体的には、組織が持つスキルの「最大値」「平均値」「最低値」を考えてみてください。

スキルの「最大値」は代表や幹部陣が持っていると思います。
この場合のスキルは営業力、デザイン、マネジメントなど、
活動していく上で使う全ての能力のことを指しています。
この「最大値」の多くが代表のスキルだった場合、リーダー依存型の組織です。
逆に、そのスキルを各担当が持っていた場合、
組織として成長する形を作れていて、成長はメンバーのプロ意識に委ねられます。

スキルの「最低値」は基本的には新メンバーが主です。

スキルの「平均値」はメンバー全員のスキルが高めなのか、低めなのか、表します。
平均値が高いということは全員がしっかりと成長していて、
もし低かった場合は、上と下の能力差が激しい場合でしょう。


ここで大事になってくるのは、
スキルの「平均値」をどれだけ上げられるかという点です。

いくら「最大値」を上げたとしても、それを実行に移すのは各メンバーで、
そのメンバーのスキルが低くては結局実行することができません。
そして、平均値を上げるときには、
メンバー全員の底上げをしたほうが平均値は上がります。

これは感覚的な説明になってしまいますが、
テストで90点の学生が10点上げるよりも、
30点の学生が40点上げるほうが簡単なのに近いかなと。



自分自身の引き継ぎに関して

最後に、なぜ世界市を引継いだのか、という質問に答えると、
「強くなる組織をつくる」ためが主なのと、
単純にアドバイスなら代表じゃなくてもできるからです。

そこまでコミットできず、昨日の記事でアップしたような、
リーダーとしての責任を果たせないときに、
スキルの高さだけで代表の座にいることは組織にとってプラスではなく、
そのスキルの高さは別の形で組織に使えばいいからです。

だから、勉強会開催や個別に相談にのったり、
組織の外側にいてもできることは全然あります。

特に世界市の場合はメンバー自身の自主性と責任感が真っ先に必要で、
その自主性が生まれてやっと成長する準備が整います。
成長する準備が整ったときに、自分が必要なスキルを渡せばいい。


あと、もう1つ伝えておくと、
団体を引き継ぎはしたけど、またメンバーと一緒に活動したい気持ちはあるから、
今度は社会で仕事として活動できるように、自分ももっと成長して、
そのときは肩を並べて仕事がしたいから、みんなにももっと伸びてほしい。

若干まとまりが悪いですが、そんな感じです。



後半は、内輪な話が増えてしまいましたが、
どんな組織を作っていけばいいか、参考になれば幸いです!






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